Suwa no Umi Art Festival

2025.9.19 FRI -
9.21 SUN

長野県岡谷市

湖に浮かんでいた「弁天島」。
弁財天が祀られていたその場所は、いまはもうない。

けれどこのまちには、
見えない糸が、いまも張りめぐられている。

かつて世界を動かした、岡谷シルク。
その糸を紡ぎ、まちを支えた無数の手が、この地にあった。

弁財天が芸能と技芸の象徴であるように、
糸とともに手を動かし、ものづくりをしてきた人びともまた、

その精神を受け継ぐ存在だったのかもしれない。

岡谷にはいまも、
ものづくりの精神と、日々の営みに宿る創造性が息づいている。

細部を見つめ、技を重ね、かたちを創り出すその精神には、

弁天のまなざしにも似た創造性が、いまも確かに流れている。

この土地の歴史と、いまを生きる私たちの感性と想像力を、アートで結びなおす。

かつてあった「弁天島」の記憶は、まちの未来を紡ぐための〝見えない糸〟となり、
まちに散らばる点と点、時間と時間、人と人のあいだに、
新たな縁を結びはじめる。

時代が移り変わっても、
その精神は、いまもこのまちに生き続ける。

これは、このまちの可能性を、
誰より自分たちが一番信じるための、祭りのかたちである。

開催趣旨

"地域との新しいつながりをつくり、みんなで創造の場をひらく"

諏訪ノ湖芸術祭は、長野県の諏訪湖とその周りのまち全体を舞台に、地域のみなさんと一緒につくるアートのお祭りです。諏訪地域には、豊かな自然や信仰、ものづくりの文化、そして長い年月をかけて育まれてきた暮らしがあります。その中に息づく物語と、アーティストや専門家のクリエイティブな発想を掛け合わせ、これまでになかった視点や体験を生み出します。

初めての開催となる今年は、かつて「シルクの都」と呼ばれた岡谷のまちが舞台。まちづくりとアートを組み合わせ、地域の人や訪れた人が一緒に考え、語り合い、まちや自分たちの未来づくりにやわらかく関われる場をつくります。

アーティストだけでなく、来場者や地域の人にも、アートを「見て」「触れて」「感じる」ことで、自分たちの土地の価値に気づき、まちを新しい目で見直すきっかけを見つけてほしい―それが、この芸術祭の大きな目的のひとつです。アートを通じて、人と人、地域と世界、過去と未来がつながり、深い対話と新しい発見が生まれることを願っています。

開催概要

名称
BEN-TEN|諏訪ノ湖芸術祭2025
(べんてん|すわのうみげいじゅつさい2025)
会期
2025年9月19日(金)15:00〜16:30、20日(土)9:00〜17:00、21日(日)9:00〜15:00
開催地
長野県岡谷市
会場
テクノプラザおかや、岡谷市内各所
(ララオカヤ、童画館通り商店街、照光寺、fabスペースhana_re、岡谷蚕糸博物館 シルクファクトおかや)
主催
湖の座(うみのざ)|諏訪ノ湖芸術祭実行委員会
共催
岡谷市

プログラム

L-1

ララの鼓動をエガク

山本麻琴、永山玳潤

パフォーミングアート/インスタレーション

《ライブパフォーマンス》

日時:9月20日(土)9:00-9:30

会場:ララオカヤ駅前ロータリー側メインエントランス

観覧料:無料(予約不要)

《晝道家 永山玳潤 作品展示》

期間:9月19日(金)~21日(日)

会場:岡谷糸博物館エントランス

ララの鼓動をエガク

〈ララの鼓動をエガク〉は、諏訪ノ湖芸術祭2025で二日目のオープニングを飾るライブパフォーミング・アート。岡谷の音の記憶をテーマに、御諏訪太鼓伝承者・山本麻琴と書道家・永山玳潤が共演し、鼓動のリズムと筆跡を即興で交差させ、身体・音・形の連鎖を可視化します。太鼓の一打が響くと同時に巨大キャンバスに墨が走り、観客の五感に岡谷の“鼓動”を呼び覚ます。

山本麻琴:

長野県岡谷市出身。祖父・初代小口大八氏、父・山本幹夫氏の影響で2歳半から太鼓を始め、演奏のみならず製作や指導にも携わり、皮を伸ばすなど伝統技法の継承に尽力。2009年ニューヨーク公演、2010年サンフランシスコ、2011年カナダツアーなど国内外で御諏訪太鼓を披露。喜多郎やチ・ブルグットら他ジャンルのアーティストとも共演。地域文化の継承にも取り組み、諏訪の歴史や文化を体感できるツアーを主催。

永山玳潤:

大阪府高石市出身。4歳で書を始め、1995年に全日本教育書道院で教師免許と雅号「玳潤」を取得。2006年より宮下寛昇氏に師事し、伝統技法を基盤に独自の書を追求。古典臨書で培った筆致と墨の潤いやかすれを活かし、線と余白のリズムや空間の美を現代的に昇華。個展やライブも多数開催し、JRA「有馬記念」題字やバンドロゴ、白鶴酒造CM題字など幅広いコラボレーションを展開。

L-2

オ・ラ・ヤ・カ・ラ ブリコラージュ

市民100人
Suwa no Umi Art Festival 2025, Art direction team

市民参加型・空間インスタレーション

会場:ララオカヤ駅側壁面

観覧料:無料

オ・ラ・ヤ・カ・ラ ブリコラージュ

閉館したララオカヤを舞台に、過去・現在・未来をつなぐ住民参加型の作品展示です。解体を控えたこの建物を、まるで大切な人との最後の別れを迎えるように、市民の皆さんがそれぞれの「思い」を込めて塗りました。指定された色で建物のパーツに自由に着色や装飾を施し、そこに作品名を添えて展示。完成した外壁は、思い出と別れを映し出すカラフルなモニュメントとなり、諏訪ノ湖芸術祭の景色を鮮やかに彩ります。

D-1〜13

商店街の中の民藝シリーズ

Suwa no Umi Art Festival 2025, Art direction team

造形作品展示

日時:9月15日(月)〜21日(日)(※会期中も、展示会場となる店舗には定休日がございます。)

会場:童画館通り商店街 各店舗

観覧料:無料

商店街の中の民藝シリーズ

美術館に行かなくても日々の生活の私たちの足元に「アート」は転がっています。毎日の商いの中でのふとしたことから生まれる遊び心、そんな「トマソン」を切り取ってみます。すると童画館通り商店街が美術館になってしまうかもしれません。店主との会話で物語が広がり、日常に潜む美とユーモアを発見する宝探し気分を味わいませんか。商店街全体を回遊型美術館と見立てるソーシャル&パブリック型アート展示。

※「トマソン」ってなあに?
「トマソン」は、役目を失っても街角に残る階段や扉など"無用の建造物"を小さなアートとして楽しむ視点。前衛芸術家・随筆家の赤瀬川原平氏が提唱した概念。

T-3

特別講演会「地域の魅力の見つけ方とワクワクするローカルプロジェクト」

講師:指出 一正氏

日時:9月20日(土)13:00〜15:00

会場:テクノプラザおかや大研修室

観覧料:無料(予約不要・先着順)

地域の魅力をどうやって見つけ、新たな価値をつくっていくか。関係人口の提唱者であるメディア『ソトコト』の編集長が「ウェルビーイング」「サステナビリティ」「リジェネラティブ」「二拠点思考」という時代のキーワードとともに、自身も実践するアートやクリエイティブを軸にしたワクワクするローカルプロジェクトの好例を解説していく。岡谷という素敵なまちの幸せについてみんなで共有していく講演です。

指出 一正氏:

株式会社ソトコト代表取締役 『ソトコト』編集長
一般社団法人日本関係人口協会理事

指出 一正氏

『ソトコト』編集長。1969年群馬県生まれ。上智大学法学部国際関係法学科卒業。雑誌『Outdoor』編集部、『Rod and Reel』編集長を経て、現職。島根県「しまコトアカデミー」メイン講師、兵庫県「ひょうご関係人口創出拡大・絆プロジェクト」総合監修、山形県金山町「カネヤマノジカンデザインスクール」メイン講師、和歌山県田辺市「たなコトアカデミー」メイン講師、福島相双復興推進機構「ふくしま未来創造アカデミー」メイン講師、秋田県鹿角市「かづコトアカデミー」メイン講師、静岡県「地域のお店デザイン表彰」審査委員長、群馬県庁31階「ソーシャルマルシェ&キッチン『GINGHAM(ギンガム)』」プロデューサーをはじめ、地域のプロジェクトに多く携わる。内閣官房、総務省、国土交通省、農林水産省、環境省などの国の委員も務める。経済産業省「2025年大阪・関西万博日本館」クリエイター。上智大学「オールソフィアンズフェスティバル2025」実行委員長。著書に『ぼくらは地方で幸せを見つける』(ポプラ新書)、最新刊は『オン・ザ・ロード 二拠点思考』(ソトコト・ネットワーク)。

ソトコトオンライン:https://sotokoto-online.jp/
日本関係人口協会:https://kankeijinko.jp/

T-1〜6

アートでひらく、まちの井戸端カイギ

諏訪ノ湖芸術祭メイン会場でのリレー企画「アートでひらく、まちの井戸端カイギ」は、音楽・食・地域アートなどをテーマに、ゲストがアートの視点から"まち活かし"(まちを元気にし、人や場の可能性を広げる活動)について語り合うトークシリーズです。地域のキーパーソンたちが、それぞれの仕事や挑戦を通して見つけたヒントを共有し、誰もが気軽に参加できる対話の場をひらきます。

会場:テクノプラザおかや大研修室

観覧料:無料(予約不要)

音楽×まち活かし「音楽人たちの語らい」

T-1 音楽×まち活かし「音楽人たちの語らい」

日時:9月20日(土)10:00-11:00

登壇者:

  • 浜 公氣氏(CELLAR RECORDS店主)
  • 笠原 陽治氏(ウナギロックフェスティバル発起人/株式会社セブンスライブマネジメント 取締役)
  • 宮澤 健氏(3cmtour(Gt)/やなのうなぎ観光荘 三代目代表)

T-2 伝統芸能×まち活かし《SUWA×文楽: 短編映画『SUWA』上映と解説》〜映画『鹿の国』 の弘理子監督が描くSUWAの映像詩〜

日時:9月20日(土)12:00-12:45

登壇者:

  • 武居智子氏(信州しもすわ温泉ぎん月代表取締役・大昔調査会)
  • 佐々木千玲氏(TINTt株式会社 代表取締役)
SUWA×文楽 短編映画『SUWA』

T-4 アーティストトーク

日時:9月20日(土)15:30-16:30

登壇者:アートディレクター 草間茂樹氏

芸術祭の内、ユニークな4つの作品『オ・ラ・ヤ・カ・ラ ブリコラージュ』、『商店街の中の民藝シリーズ』『ララの鼓動をエガク』『間』『繭』について、本作品のプロデューサーで、京都芸術大学大学院で現代アートの研究者でもある草間さんが作品の制作プロセスや、現代美術の楽しみ方などについて解説します。アートは私たちの生活や社会で今どのような役割を担うのか、なぜアートが面白いのかについて楽しくお話しします。

草間茂樹氏

長野県岡谷市出身。大手投資銀行にて日米通算約30年間にわたり投資銀行業務に従事。国際公認投資アナリストでありながら、並行してクリエイティブ分野における活動を開始。2022年事業構想大学院大学修了(事業構想修士)、2025年京都芸術大学大学院芸術環境専攻(保科豊巳ラボ)修了(芸術修士)。現在、同大学院博士課程在学中。サイクリングをこよなく愛し、日本サイクリング協会(JCA)公認のサイクリング・インストラクターでもある。

T-4 アーティストトーク

T-5 食×まち活かし「食の人たちの語らい」

日時:9月21日(日)10:00-11:00

登壇者:

  • 髙橋 功氏(高天酒造株式会社 代表取締役)
  • 中村 太軌氏(ヌーベル梅林堂 取締役)
  • 林 慎太郎氏(株式会社豊島屋 常務取締役)
  • 長峰 愛氏(喜多屋醸造店五代目社長 味噌ソムリエ)

T-6 地域アート×まち活かし「アート人たちの語らい」

日時:9月21日(日)13:00-14:00

登壇者:

  • 源田 泰章氏(映画プロデューサー兼監督)
  • 岩波 太佐衛門尚宏氏(アートリング協議会 諏訪地域美術館博物館 連合会 会長)
  • 武川 寛幸氏(星空の映画祭実行委員長)
  • 山本 麻琴氏(御諏訪太鼓伝承者/諏訪ノ湖芸術祭座長)
  • 清水 千大氏(㈱OPEN OKAYA 常務取締役)
M-1

チベット仏画師 宮坂宥明氏による「仏画絵解きの時間」

仏画展示・ギャラリートーク

日時:9月21日(日)10:00-16:00

午前の部|11:00-11:30「仏画絵解き①〜六道輪廻図〜」

午後の部|15:00-15:30「仏画絵解き②〜釈迦仏伝図〜」

仏画公開|10:00-16:00

会場:照光寺 光明閣 2階

観覧料:無料(予約不要)

チベット仏画師による絵解きの時間

照光寺副住職であり、チベット密教仏画の正統継承者・宮坂宥明氏による仏画の絵解きを開催します。「六道輪廻図」は、煩悩に支配された衆生が輪廻転生を繰り返す様を、六つの世界に分けて緻密に描いた日本最大級の仏画です。「釈迦仏伝図」は、釈尊の誕生から入滅までを六枚の絵に収めた大作で、多くの場面に仏教成立の背景が凝縮されています。
仏画に込められた教えと精神世界の奥深さに、ぜひふれてみてください。

宮坂 宥明(みやさか ゆうみょう):仏画師、照光寺副住職、照光寺宗教文化研究所所長

昭和28年生まれ。東京藝術大学・同大学院終了後、インド・ダラムサーラにて7年間仏画の修行に励む。帰国後、照光寺に勤める傍ら仏画を制作。現在、照光寺光明閣の十数点の仏画を奉納。著書に「八十四人の密教行者」(共著・春秋社)、西蔵図像聚成(監修・四季社)、「大人のためのぬりえ般若心経」(解説・四季社)、「チベット密教仏図典」(仏画・春秋社)などがある。

W-1

SUWON

yohakutabi、宮澤りょう、Ken Miyazawa

体験型サウンド・インスタレーション

日時:9月20日(土)、21日(日)11:00-12:00

会場:テクノプラザおかや

参加費:無料(予約不要)

SUWONワークショップの様子

「わたし」と「まち」との、小さな接点を見つける体験。毎日の暮らしの中でなんとなく流していた景色や気持ちに、SUWONでは耳を澄ませ、小さな気づきを迎える時間を。水面に映るように、心の奥の声がそっと姿を見せ、人と人、暮らしとまちが"根音"となって響き合う。

yohakutabi:

「人に出会い、素直な自分に帰る旅」をテーマに、20〜30代の若者が自分と向き合うきっかけを届けるウェルビーイングツーリズム。地域の人との出会いや体験を通して、自分自身を知るきっかけを作っています。

宮澤りょう:

音楽家/グラフィックデザイナー。バンドWiLLでボーカルを務めるほか、鍵盤でコンテンポラリーダンスとの共演や美術館展示への楽曲提供など、音を軸に多彩な表現を展開。

Ken Miyazawa:

3cmtour(Gt)/やなのうなぎ観光荘 三代目。家業の傍らバンド活動を展開。音楽と食文化を横断し、“うなぎの宇宙食”やメディアアートなど、多様な手法で創造的な表現活動を続けている。

お申し込みフォーム Instagram

W-2

タフティングワークショップ

講師:株式会社みんなのニット共和国

アートワークショップ

日時:9月20日(土)、21日(日)両日とも

①10:00-12:00(定員4名ほど)、②12:00-14:00(定員4名ほど)、③14:00-16:00(定員4名ほど)

会場:fabスペースhana_re

参加費:4,400円(※対象年齢4歳以上、予約優先、所要時間 約30分)

タフティングワークショップ

お好みのモチーフを選んで、「手のひらサイズの”アップサイクル”ラグづくり」就労支援事業所ソレイユさんをはじめ 岡谷の事業者さん達が廃棄されるアパレルのサンプルから紡いだ毛糸を使って、かわいいラグを作るワークショップです。

短時間で誰でも簡単に楽しく作る事ができます。岡谷で作られるかわいい毛糸を選んで混ぜてモコモコのラグを作りましょう!アップサイクル素材を手に取りながら、つくる楽しさと地域のつながりを感じてみませんか?

申し込みフォーム:https://peatix.com/group/15340194

期間中に近隣で開催されるおすすめイベント

キッチンカーフェス 岡屋・大昔デイ

アクセス・会場マップ

主要会場

  • テクノプラザおかや
  • ララオカヤ
  • 童画館通り商店街
  • 照光寺
  • fabスペースhana_re
  • 岡谷蚕糸博物館 シルクファクトおかや
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会場SPONSOR

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シルバーSUPPORTER

お問い合わせ

湖の座(うみのざ)
諏訪ノ湖芸術祭 実行委員会

〒394-0021
長野県岡谷市郷田1丁目4-11
岡谷商工会館(事務局)

Mail: suwanoumi.artfes@gmail.com